TROUBLE
生活保護受給者が家賃を滞納した場合には、貸主への支払いに加え、福祉事務所にも住宅扶助の返還が必要になります。
そのため、家賃の金額を二重に支払うことになります。
滞納から6ヵ月経つと、多くの場合は強制退去となるので、家賃滞納にはしっかりと対処をしていく必要があります。
ここではまず、家賃滞納のリスクをお伝えしていきます。
家賃滞納をしていると、連帯保証人に支払督促がいきます。
家賃の支払いをしていないことが連帯保証人に伝わるので、連帯保証人になってくれた方に支払いの義務が発生し、迷惑をかけてしまうことになります。
家賃滞納をしてしまった場合には、財産の差し押さえのリスクがあります。
換金価値のある家具・家電・貴金属類や、給与、預金など、さまざまな財産を差し押さえられてしまうので、注意しましょう。
家賃滞納で遅延損害金が発生するリスクに注意が必要です。
遅延損害金は、期日までに債務者が返済をしなかった場合に発生します。契約で特に定められていなければ利率は年3%です。
家賃滞納で強制退去になるまでの流れは「1週間以内に督促の連絡」「1週間以上で督促状が届く」「滞納から6ヵ月で強制退去」となります。
ここでは、家賃滞納で強制退去になるまでの流れをお伝えしていきます。
家賃の支払いが遅れてしまうと、1週間以内に手紙や電話で支払いを督促があります。保証会社を利用している場合には、保証会社が立て替えてくれたあとに支払いの催促があります。滞納分の家賃は、銀行窓口での入金やコンビニ払いで行われることが多いようです。
多くの大家さんや管理会社では、1週間以上たった段階で督促状が届きます。督促状が送られてきた後、督促し続けても家賃が支払われない場合、1ヵ月以上で連帯保証人への催促が始まり、催告書などと書かれた書面が届きます。
滞納から3ヵ月すると、契約解除にともなう明渡し請求が届きます。これを無視して住み続けた場合には、法的手続になってしまうので、気をつけましょう。その後、滞納から6ヵ月で強制退去になる場合が多いです。
家賃を支払えない場合は、事前に対処を行うことが必要です。
ここでは、家賃を支払うための準備や大家さん・管理会社に相談するなど、対処法を詳しくご説明します。
相談は、支払いが滞りそうになった場合に、最初にしなければなりません。大家さん・管理会社からの催促を無視せず、きちんと相談しましょう。分割払いにさせてほしいなど、交渉や相談ができるので、1人で抱え込まないようにしましょう。
お金の工面ができなかった場合、親族などの周囲の方や金融機関にお金を借りて支払うことも一つの手段です。トラブルになるので、お金を借りるのは難しいという方も多いと思います。そんな時には、お金を出してくれた方にお礼をしたうえで、毎月〇〇円ずつ返すことなど書面に残して約束することで、トラブルを防ぐことができます。
お金の工面ができない場合には、住宅救援給付制度を利用することも一つの手段です。住宅救援給付制度とは、休業などにともなう収入の減少によって住居を失うおそれがある場合、自治体から大家さんに原則で3ヵ月、最大9ヵ月の家賃相当額を支給する制度のことです。
参考:厚生労働省 住居確保給付金のご案内
参考:厚生労働省 住居確保給付金:制度概要
生活保護受給者の家賃滞納を防ぐ方法には、
以下のような方法があります。
入居時に連帯保証人を立てる
家賃保証会社を利用
連帯保証人を確保することで、借主が家賃支払いに困った場合のリスクを軽減できます。多くの賃貸物件では、連帯保証人が必須になります。
契約書類の記入や必要書類の提出により、連帯保証人の支払能力を確認しましょう。適切な連帯保証人が見つからない場合は、家賃保証会社を利用することをおすすめです。入居者が家賃保証会社に保証料を支払うことで、滞納時でも家賃保証会社からの支援が受けられます。
基本的に連帯保証人と同様、
貸主に対して家賃や更新料などに関わる部分を保証する会社のことを指します。
もし借主の支払いが滞ってしまったときに、借主の代わりに貸主に対して支払いを行なってくれます。
賃貸保証会社の仕組み
賃貸保証会社は、通常は金銭面の保証を提供することが主な目的ですが、近年ではサービスの多様化が進み、退去時の物品撤去など、金銭以外の面でも保証を行う賃貸保証会社も存在します。
借主としては、連帯保証人の代わりに賃貸保証会社に保証委託料を支払うことで、安心感を得られます。
貸主にとっても、賃貸保証会社が支払いを代行してくれるため、支払い滞納時のリスクが軽減されます。このため、最近では賃貸保証会社の利用を貸主が義務付けるケースも増えています。
連帯保証人との違い
通常、賃貸保証会社は各社で保証内容が異なり、主に金銭面の保証を提供します。それに対して、連帯保証人は賃貸契約全体の債務を保証する必要があり、金銭以外の責任も負います。
例えば、借主の騒音トラブルや大家の指摘に応じない問題など、連帯保証人はさまざまな責任を負う可能性があります。
一方、賃貸保証会社と貸主との契約は一般的に企業間で行われますが、連帯保証人は個人であり、借主が自ら保証人を見つけなければなりません。
賃貸保証会社と比較すると、連帯保証人は責任や保証範囲が広いと感じることがあり、借主も適切な連帯保証人を見つける手間が増えるかもしれません。
賃貸保証会社を利用した際に保証される内容は、
会社によって異なります。
家賃
賃貸保証会社の保証内容の必須です。
※「24ヵ月分」等上限が設けられていることもあります。
共益費・管理費
中には、駐車場料金・水道料金・町内会費を保証する賃貸保証会社も存在します。
残置物の撤去費
残置物とは、前の入居者が退去時に残した物のことです。
明け渡し訴訟費
借主が家賃を滞納した時に、貸主が借主を強制退去させるためにおこなう訴訟です。
原状回復費
賃貸物件を退去する際は、部屋を元の状態に戻すための費用です。