COUPLE
同棲している2人のうち、どちらかが失業し生活に困窮した場合、生活保護を受けながら同棲を続けることは可能なのか。
また、生活保護を受給している者同士が婚前同棲を希望した場合、生活保護費にどのような影響があるのか不安に感じる方もいるでしょう。
生活保護受給者が婚前であっても同棲できる条件や、その際の注意点を分かりやすく解説します。
生活保護を利用している方の中には、婚姻関係がない2人が同棲することは認められないのでは?
と思われる方もいるかもしれませんが、実際には生活保護の受給に婚姻関係は関係ありません。
つまり、生活保護を受給していても同棲は可能です。
ただし、同棲をする際にはいくつかの条件があるためそれらについて、以下でご紹介いたします。
生活保護は個人単位ではなく世帯単位で受給されます。
単身世帯でも2人世帯でも、それぞれが1つの受給世帯として扱われ、婚姻関係にかかわらず2人世帯として受ける場合は、生計が同一かどうかが重要なポイントです。
婚前同棲では戸籍上の婚姻関係がないため、交際や破局が容易で、新たに交際相手と同棲する可能性もあります。
しかし、このような変更が発覚すると不正受給と見なされることがあります。また、交際相手との同棲をケースワーカーに申告していない場合も不正受給とされる可能性が高く、生活保護費の返還や打ち切りなどの罰則を受けることがあります。
生活や環境の変化があった場合は、必ずケースワーカーに報告することをお勧めします。
生活保護受給者が同棲するケースには、同棲中の交際相手が生活保護を受給している場合と、
生活保護受給者同士が同棲している場合の2つがあります。
同棲中の2人のうち1人に収入があり、もう1人に収入がない場合、収入のない方だけが生活保護を受給することはできません。
生活保護を受けるには、2人の世帯収入を合わせて基準に満たす必要がありますので、受給を検討する場合は2人での申請が必要です。
すでに生活保護を受けている単身者同士が同棲することも可能ですが、2つの注意点があります。
生活保護受給者同士での同棲を検討している方は、これらの点を参考にしてください。
生活保護費は主に生活扶助と住宅扶助で構成されており、生活保護を受給すると家賃に制限がかかるため、居住できる住宅が限られてしまいます。
また、単身者世帯の住居扶助額では単身者用の物件が多く、お2人で生活をするには手狭になることも予想されますので、引っ越しが必要になる可能性が非常に高くなります。
しかし、生活保護受給者同士が同棲を理由に引っ越しをする場合は、引っ越し費用が全額自己負担になる傾向にあり、生活保護受給者にはかなりの負担になることが考えられます。
同棲を始めるにあたって、以下の5つの点に注意しないと、
生活保護が打ち切られる可能性がありますので、十分に気をつけてください。
生活保護の審査では、申請者に対して親族が金銭的援助を行えないか扶養照会が行われます。
この際、親族や婚姻関係がない同棲相手でも、援助可能な場合は生活保護を受給できません。もし親族や同棲相手から金銭的支援を受けていることが判明した場合、生活保護費の不正受給と見なされ、保護費の返還を求められたり、受給が打ち切られる可能性があります。
不動産会社が生活保護受給者の入居を断る理由は、通常の入居者と比較して、区役所や市役所とのやりとりが増加することが挙げられます。賃貸会社の営業担当者は日々多くの物件探しの相談を受けますので、迅速かつ効率的に対応する必要があります。そのため、生活保護受給者の入居には役所とのやりとりが多く、手続きが煩雑になることが予想され、それが受け入れられない場合があるのです。
生活保護を受給するには、収入や貯金だけでなく、車などの資産を所有している場合も受給資格がありません。たとえ自分が資産を持っていなくても、同棲相手が売却可能な車や一定額の貯金を持っている場合も、生活保護を受給することはできません。もし同棲相手が車などの資産を所有していると、生活保護の受給が停止される可能性があります。現在生活保護を受給していて同棲を考えている場合は、同棲前にお相手の資産状況を確認することが重要です。
稀ではありますが、生活保護の不正受給が問題となり、福祉事務所の判断が厳しくなることもあります。例えば、2007年には北九州市で福祉事務所の判断により生活保護が打ち切られ、死亡に至った事件もありました。生活保護は、生活困窮から抜け出せない場合に受給できる制度ですが、働けるのに働く意欲がないと判断されると打ち切られることがあります。ただし、長期間働いていない事情がある方には、就労支援など柔軟に対応しています。
生活保護受給者には定期的にケースワーカーが訪問し、申告していない同棲が発覚すると受給額に影響があります。生活保護は世帯の収入や支援状況によって決まるため、同棲相手の有無は重要です。収入がある同棲相手がいる場合、受給額が大幅に変わることもありますので、必ず申告しましょう。また、婚姻関係がない同棲相手が変わった場合もケースワーカーに報告する必要があります。
賃貸契約では支払い能力が重要ですが、生活保護受給者は過去に家賃滞納歴がある場合が多く、信用問題が審査に影響します。また、物件によっては保証機関の利用が必要で、初回保証料や月額保証料、更新料などの費用がかかります。
このため、費用負担が大きく、審査のハードルがさらに高くなります。
物件は大家さんの所有物であり、生活保護受給者を理由に入居を断る大家さんもいます。特に婚前同棲の場合、破局後に家賃支払いが困難になるリスクが懸念されます。大家さんは家賃収入からローンを支払い、破局後の家賃滞納や原状回復費用など、費用や時間の負担を避けたいと考えます。そのため、婚前同棲のケースは審査に通りづらいことが多いです。