SURVEY
生活保護の申請をすると、「生活状況等を把握するための実地調査」「預貯金、保険、不動産等の資産調査」「扶養義務者による扶養の可否の調査」「年金等の社会保障給付、就労収入等の調査」「就労の可能性の調査」が行われます。
生活保護は経済的に困窮している人が受けられる制度になります。
そのため、預貯金はもちろんのこと資産となるものを所有している場合は、原則受給することが出来ません。
生活保護は公的な制度であり、不正受給を防止する為にも厳正なる調査が必要になります。
生活保護の受給について、資産の調査がどこまで調べられるのか解説していきます。
意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、預金口座の調査と同時に加入している生命保険があるかどうかも確認されます。
生命保険は解約すると返還金がある場合がありますので、その場合は返還金を生活費に充てるよう自治体から求められます。
生活保護は最低限の生活を保障する制度であり、何かしらの事情により急な出費があった場合でも、医療費が無料になる"医療扶助"など様々な扶助が受けられるため、保険は解約しても基本的に問題はございません。
また、受給した後から返還金を受け取ったことが発覚した場合、保護費の返還を求められる可能性があります。
貯金がないかどうかを調べるにあたり、思い浮かぶのは預金口座だと思います。
生活保護を申請する際に金融情報開示の同意書にサインをする為、自治体には口座情報などを閲覧する権利があります。
これにより、申告した口座以外で残高のある預金口座が発覚した場合などは、"虚偽の申告"をしたことになるので生活保護を受給することは出来ません。
こちらも受給した後から預貯金があることが発覚した場合は、保護費の返還を求められる場合があります。
貯金や生命保険が無くても、申請者名義の家や土地、車がある可能性がございます。 これらは売却すれば当面の生活費に充てられるため、生活保護を受給するのであれば原則所有できないものになります。 そのため、"資産報告書"にご自身の所有している資産を記載します。 中には実際に使用するのは申請者であるが、名義だけを他の人に移してしまえば問題ないのではないかとお考えになる方がいらっしゃいますが、"不正受給"にあたりますのでご注意ください。
申請者個人にお金や資産が無くても、親族に申請者を援助出来る人がいる可能性がございます。
生活保護は国民の税金から賄われているため、親族の方で援助出来る方がいれば、まずは先に親族を頼るよう促されます。
扶養照会は原則、生活保護の申請で行われます。
理由は、申請者が困窮していても親族に頼れる人がいるのであれば、生活保護を受給する必要が無いからです。
扶養照会は申請者が記載する"扶養義務者届"を元に3親等内の親族にそれぞれ書面で通知されます。
また、あくまでも書面での意思確認のみになりますので、親族が扶養するのは難しいということであれば、それ以上追及されることは基本的にありません。
生活保護の申請後、実際にケースワーカーがご自宅に伺い申請者の生活環境の調査を行います。
主な目的としては申請者とのコミュニケーションを取る事と、家の中に現金や高価なものがないかの確認になります。
調査と言っても、タンスなど家中の収納を隅々まで見られるようなものではありませんので、一定のプライバシーは保たれますのでご安心ください。
とはいえ、もし金銭を隠していたなど虚偽の報告をしていたことが発覚した場合は、申請が受理されなくなることがありますのでご注意ください。
生活保護を受給した後も、担当のケースワーカーによる定期的な家庭訪問があります。 主な目的は申請時の家庭訪問と大差はなく、それに加えて受給者が働ける状態であるかなども確認されます。 また、生活保護を受給しながら、実際は生活保護を受給していないパートナーと一緒に生活しているケースがあります。 生活保護は、同じ家に住みながら同じ生活費で暮らしている世帯は戸籍上他人であっても1つの世帯として考えます。 そのため、パートナーや知人などと生活している方は生活保護の対象から外れる可能性があるので、ケースワーカーに報告しない人がいます。 これは不正受給に該当しますので、もし発覚すれば保護費の返還や打ち切りの可能性があります。