eviction

生活保護を受給している中で、大家さんや管理会社から
「建物が老朽化したので立ち退いてほしい」と告げられたとき、
多くの方は目の前が真っ暗になるような不安を感じます。
「次の家は見つかるのか?」「引越し費用は誰が出してくれるのか?」「立ち退き料をもらったら生活保護を打ち切られるのではないか?」
これらの悩みは、生活保護制度と借地借家法という2つの複雑なルールが絡み合っているため、一人で解決するのは非常に困難です。
こちらでは、生活保護専門の不動産サイトである「セカホゴ」が、あなたの住まいと生活を守るための全知識を徹底解説します。
近年、生活保護受給者が入居している木造アパートや築古マンションにおいて、
老朽化を理由とした立ち退き要請が急増しています。これには明確な背景があります。

昭和の高度経済成長期に建てられた物件が、今まさに「建替え時期」を迎えています。耐震性の不足や配管の腐食が進み、修繕するよりも取り壊して新築した方が、家主にとって収益性が高いという判断がなされるためです。

大家さんが高齢化し、相続が発生したタイミングで、息子世代が「古いアパートを壊して更地にし、売却したい」と考えるケースも増えています。生活保護受給者の方は長年同じ物件に住み続けていることが多いため、この「代替わり」のタイミングで立ち退きを求められやすいのです。
古いから出ていくように言われれば、
従わなければならないと思っていませんか?
実は、日本の法律(借地借家法)では、借主の権利は非常に強く守られています。
家主が借主を強制的に退去させるには「正当事由(せいとうじゆう)」が必要です。しかし、単に「建物が古いから」という理由だけでは、裁判所は正当事由として認めないケースがほとんどです。見た目が古い、設備が旧式である、リフォームで対応可能な場合は認められにくいケースにあたります。しかし、震度5程度の地震で倒壊する危険性が客観的に証明されている場合は認められやすくなります。
家主側の正当事由が少し弱い場合、それを補うのが「立ち退き料」です。「立ち退き料を払うので、どうか退去に合意してほしい」という交渉が行われるのが一般的です。生活保護受給者であっても、この交渉権は等しく与えられています。
生活保護受給者が最も恐れるのが
「立ち退き料をもらうと、
その分保護費がカットされる」というルールです。これを正しく理解し、対策を講じることが重要です。
生活保護では、原則として「入ってきたお金はすべて生活費に充てる」という考え方があります。100万円の立ち退き料を受け取れば、通常は100万円分の保護費が支給停止になります。これでは、引っ越し先での生活基盤を整えることができません。
厚生労働省の通知等に基づき、立ち退き料のうち「転居に不可欠な経費」については、収入認定から除外(手元に残しても良いと認めること)ができる可能性があります。
① 新居の敷金、礼金、仲介手数料(役所の基準を超える分)
② 火災保険料、保証会社初回保証料
③ 鍵交換費用、消毒費用
④ 引越し業者への支払い(役所支給額との差額)
⑤ 立ち退きに伴い買い替えが必要な家電・家具(エアコン、ガスコンロ等)
⑥ 弁護士や専門家への相談費用
これらを認めてもらうには、「領収書」や「見積書」の提示が絶対条件です。立ち退き料を受け取る前に、必ずケースワーカーと「何にいくら使うか」を詳細に打ち合わせる必要があります。
「大家さんから立ち退き料が出ない、
あるいは少額すぎる」という場合でも、
生活保護制度から引っ越し代が支給される仕組みがあります。

生活保護受給者が、自分の意思ではなく「家主からの立ち退き要請」によって転居する場合、役所から「転居費用」が支給されます。これは「住宅扶助」の項目から捻出されます。

| 敷金・礼金 | 各自治体が定める上限額(家賃の数ヶ月分など)の範囲内で実費支給されます。 |
|---|---|
| 仲介手数料 | 不動産会社に支払う手数料。 |
| 火災保険料 | 加入が義務付けられている場合に支給。 |
| 運送費(引越し代) | 業者による引越し代金。ただし、原則として「3社の相見積もり」を取り、最も安い業者の金額が採用されます。 |

ここが非常に重要です。「家主からの立ち退き料」と「役所からの転居費用」は二重取りできません。
立ち退き料で引越し代が賄える場合は、役所からは1円も出ません。また、立ち退き料が足りない場合は、足りない分だけが役所から出ます。この調整を誤ると、後から「返還金」として請求されるトラブルに発展するため、専門的な知識を持った不動産会社のアドバイスが不可欠です。
立ち退きが決まっても、次の住まいが見つからなければ意味がありません。
しかし、生活保護受給者の部屋探しには多くの障壁があります。
私たち「セカホゴ」のような、生活保護受給者の仲介に特化した会社を選んでください。専門的な不動産会社は、未公開の「生活保護OK」物件を多数保有しています。大家さんへの直接交渉を行い、安心感を与え、審査を通しやすくします。
立ち退きを機に、生活圏を変える必要があるかもしれません。
各市区町村で「住宅扶助の上限」は異なります。隣の市に移るだけで、選べる物件の質が劇的に上がることもあります。
築50年のアパートが取り壊しに。家主からは「3ヶ月以内に無償で出ていけ」と言われた。
当社が介入。弁護士と連携し、正当事由の不足を指摘。最終的に「家賃6ヶ月分の立ち退き料」を獲得。その全額を新居の初期費用と家財道具の買い替えに充てる計画をケースワーカーに提出し、収入認定をほぼゼロに抑えて転居に成功。
家主から30万円もらい、すぐに新しい家具を買ってしまった。後から役所に報告したところ、「不適切」として30万円分の保護費返還を求められた。
購入した家具が「生活に必要不可欠なもの(エアコン等)」であったことを証明し、一部を自立更生費として認めてもらうよう再交渉。なんとか廃止は免れたが、事前の相談不足が原因で大きな損害を被った例。